あひるの空ヘビーローテーション+

日向武史先生の『あひるの空』が好きすぎて、ネタバレしすぎない程度に考察してます。

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魔王×呼吸×あひるの空×家鴨の空~あひるの空はあと10年続く~

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もうすぐ日本でも発売されるって噂だけど。

Amazon Echoが手持ちの本を食べて、広瀬すずちゃんの声で朗読してくれるようになったら妻の反対を押し切ってでも速攻買うんだけどね。

電気のスイッチはカチッとしたいし、カートボタンは自分で押させてくれ。そんな機能は全くいらないから、広瀬すず機能だけつけてほしい。

アレクサ君、あのな、僕らが本当に欲しいのはできることをやってくれるロボットじゃないんだよ。

やれないことをやってこそ、手塚先生が描いたロボットじゃないのか。

考えろ、考えろ、アレクサ。


blog.ahirunosora.net


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伊坂幸太郎×日向武史

皆さん、日向武史先生×伊坂幸太郎先生の対談読みました?

ddnavi.com

恥ずかしながら、「伊坂幸太郎」を知らなかった僕は、告知を見て漫画家対談だとずっと思ってました。

「重力ピエロ」あっ、聞いたことある。

「重力ピエロ」と聞いても映画監督だと思っていた、そんな無知な僕です。

対談記事を読んで、初めて小説作家だということが分かりました。

それぐらいの無知、いや無垢な僕の頭で、日向武史先生が絶賛する伊坂幸太郎『魔王』を手に取りました。

魔王 (講談社文庫)

あれれ、漫画化されてる。

魔王 JUVENILE REMIX(1) (少年サンデーコミックス)

日向武史先生ver.も読みたし。

『魔王』一読。

一読。

小説を読んでると、高貴な気分になる。

読んでる自分に酔ってる。できれば、人前で読みたい。@スタバのテラスかなんかで。

うわぁー俺見られてるぅ~

って勝手に思いたい。

「小説」は、時間がある人の特権のようなものだと僕は思ってます。

私、こんなに時間があるの。

そう見せつけられてる気分がして、自分がスタバで読めば↑の気分なくせに、他人にやられるとクソっと嫉妬すらしてしまう。


日向先生の絶賛する『魔王』は即買いしました。

でも、妻に「は?みんなでいる時に読書ってナニ?」

我が家では、家族がいる場で漫画すら読むことが許されない。

1ページ目でSTOP。。。

腰の曲がった白髪の老人がどんな魔王になるんだよ~

この生き地獄も今となっちゃ悪くなかった。

しかし幸いにも、先週、熱海へ家族旅行に行ったのです。

そうだ、旅のお供に。

パソコンもなかったから、いつも通り3時半に起きて、こそこそと薄暗い光を頼りに『魔王』を一読。

意外と、速読できんじゃん。俺。

いや、違うな、これが対談であった「リズム」なんだ。

「ぷよぷよ」を体感できたんだと思います。

「ぷよぷよ」の意味が分らない人は、是非対談を読んでみて下さい。

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『魔王』概論

↑こんなファミコンタイトルありそうね。

『魔王』は,『呼吸』→『モダンタイムス』と続く、3部作ということが分かりました。

作品名 前作との関連性
魔王
呼吸 「魔王」から
5年後
モダンタイムス 「魔王」から
50年後

『呼吸』の読み始めにはドキっとした。

えっ・・・そういう系・・・。

読み進めてけばすぐ分かる。BLではありません。

でも、みんな1回「えっ!?」ってなってるっしょ。絶対。

あらすじは、世に散らばっているので割愛します。

久々に「文学」に触れたぁ~

と読了後は爽快な気持ちになる。

さて、「モダンタイムス」にも手を出すか。

はて、どこで読む・・・便所にでも隠しておくか。

いや、官能小説を忍ばせてると思われちまうな。

伊坂幸太郎作品の導入手引

まず、僕らあひる読者は、日向武史先生のオススメ3作品を読むべきである。

中でも、やはり「魔王」から手をつけたことはハズレではなかったと思う。

じゃあ次はどこへ行く?

ランキングのランキング

「伊坂幸太郎 おすすめ」と打つと、みんなのおすすめ10選がズラーっと出てきます。

見ていくと、みんなのベスト10が見事にてんでバラバラ。

しょうがねぇ、このバラつきを平均でならしランキングにしてみました。

↓コレを伊坂幸太郎作品の導入手引きとしてみてはいかがでしょうか。

ランキング 作品名 ポイント
1 オーデュボンの祈り 3.7
2 ゴールデンスランバー 5.5
3 砂漠 5.5
4 アヒルと鴨のコインロッカー 5.8
5 陽気なギャングが地球を回す 6
6 重力ピエロ 6
7 死神の精度 + 死神の浮力 7.1
8 魔王 + モダンタイムス 7.1
9 ラッシュライフ 7.2
10 チルドレン 8.2
11 グラスホッパー 8.2
12 フィッシュストーリー 8.8
13 終末のフール 9
14 あるキング 9.3
15 ジャイロスコープ 9.4
16 オー!ファーザー 9.4
17 アイネクライネナハトムジーク 9.5
18 クリスマスを探偵と 9.7
19 マリアビートル 9.7
20 バイバイ、ブラックバード 9.8

※google検索「伊坂幸太郎 おすすめ」で上位表示されたサイトで、10選を掲載している10サイトを参照。

※10サイトのうち、ランク外だった作品を10位として換算

日向武史先生おすすめ3作品

『ベリーベリーストロング~アイネクライネ~』

ベリー ベリー ストロング   ?アイネクライネ?(シングルバージョン)

ベリー ベリー ストロング   ?アイネクライネ?(シングルバージョン)

日向先生のコメント
大好きな作家と大好きなミュージシャンの贅沢なコラボレーション。
音楽だけど、作家や漫画家を目指している人たちに是非聞いて欲しい。

引用:週刊少年マガジン 2017年15号「Synchronicity~共鳴する創作者たち~」

『アイネクライネナハトムジーク』は、斉藤和義のために書き下ろした小説なんだと。

『魔王』

魔王 (講談社文庫)

魔王 (講談社文庫)

日向先生のコメント
余韻を残して終わる、というカッコ良さ。作家が挑戦するってこういうことだと思います。『呼吸』も素敵でした。

引用:週刊少年マガジン 2017年15号「Synchronicity~共鳴する創作者たち~」

『アヒルと鴨のコインロッカー』

アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)

アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)

日向先生のコメント
あひる繋がりが嬉しい。伊坂さんの作品には、「夜に沈む」とか「空に溶ける」というような、宝石みたいな表現がたくさん出てきます。

引用:週刊少年マガジン 2017年15号「Synchronicity~共鳴する創作者たち~」

「だ」技法

『魔王』読んでて、「あっ」と思った箇所がありました。

途中で、フライドチキンを売るファストフード店が左手に現れた。閉店後ではあるが、白髪の、体格のいい老人の人形が立っている。手を前に出し、歓迎の意を表している。閉店にも関わらず、だ。

「―、だ。」

数回出てくる。

「あひるの空」でもあったな。

VS藤沢菖蒲戦!!だっ!

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あひるの空 RAINDROP NARROW DOWN(43) (講談社コミックス)

あひるの空 RAINDROP NARROW DOWN(43) (講談社コミックス)


残り21秒、2点差、タイムアウト。それまでの興奮はパタっと止み、会場は、なぜかギャラリーも小声になる。

アレ、不思議だよね。たぶん日本だけなんだろうね。

そんな静寂の中、どうしても入れなければならないナレーション。

それをたった1文字「だ」を入れることで、ナレーターの興奮を伝えつつ、見事その静寂を守っている。

これこそ、伊坂幸太郎流「だ」技法だ。「だ」がありすぎて読みにくい・・・「だ」技法です。

仮に、「だ」技法を使わないとどうなるか、また「だ」以外の表現を使ったらどうなる?

↓これが原文。

シュートクロックよりも短い残り時間

バスケットにおける"20秒"は
実質的な時間よりも遥かに長く
残り5秒あれば
プレスからボールを奪い逆転勝利するゲームも珍しくない。

ここで智久がとった選択は その"時間"のDF(ディフェンス)である

得意のF・T(フリースロー)を外した菖蒲・深沼は
クズ高に3Pでの逆転サヨナラという可能性を与えてしまった

2点リードかつ自軍ボールという圧倒的有利な状況は
たった一つの脅威に脅かされる

言うまでもなく
空の存在である

加えて先に見せた行太の3Pと
スコアラー トビの投入が更にプレッシャーをかける

菖蒲は20秒を耐えるか
加点するという当たり前の選択に慎重さを欠けない

間違いなく勝利を掴みかけているであろうチームが


倒置法を正すと、

間違いなく勝利を掴みかけているであろう菖蒲が
20秒を耐えるか
加点するという当たり前の選択に慎重さを欠けない

ナレーターの熱がイッキに抜けてしまう。


「だ」を抜いてみる。

菖蒲は20秒を耐えるか
加点するという当たり前の選択に慎重さを欠けない

間違いなく勝利を掴みかけているであろうチームが―

うぉおおお、すげぇ気持ち悪い。


「だ」を置き換えてみる。

菖蒲は20秒を耐えるか
加点するという当たり前の選択に慎重さを欠けない

間違いなく勝利を掴みかけているであろうチームが

ってばさ

おめぇそれ、バカにしてるってばよ!


2点リードかつ自軍ボールという圧倒的有利な状況は
たった一つの脅威に脅かされる

言うまでもなく
空の存在である

加えて先に見せた行太の3Pと
スコアラー トビの投入が更にプレッシャーをかける

菖蒲は20秒を耐えるか
加点するという当たり前の選択に慎重さを欠けない

間違いなく勝利を掴みかけているであろうチームがクズ高の脅威に脅かされる!

さぁどうなる!勝負の運命はいかにっ!

「勝負」と「菖蒲」を掛けたの分かっちゃった?さぁレディーゴー!!!

「車谷選手、今の心境をお聞かせください。」

「ハイ、ほら。お聞かせ下さい。」

「この1本に全てをかける。そんな意気込みということでしょうか。」

ナレーターがコートにまで出てきちゃった(笑)


対談がこのシーンを描く時点で決まってて、日向武史先生から伊坂幸太郎先生へのリスペクトで「だ」技法を敢えて入れたのだろうか。

いや、そうじゃないのだろう。

シンクロしたんだ。

日向武史先生は、伊坂幸太郎流「だ」技法が自然と出るところの境地までに達しているということなんだろう。

逆ジャイアン的発想

小説家の方が大々的に少年漫画誌に載る機会というのはあまりないと思うんです。

だからこそ、『あひるの空』が好きな読者で、伊坂さんを知らないという人がいたらぜひ読んでほしいです。

伊坂さんの作品の構成の素晴らしさを、本当に色んな人に知ってもらいたいですね。

今回の対談もまた、日向武史先生のチャレンジだったのだと思います。

余り溢れたモノの中から、選択をしていかなくてはならない今、こうやって道を作ってくれることがありがたい。

好きな人が好きなモノは好き。

逆ジャイアン的発想で、僕は伊坂幸太郎が好きです。

まるで僕はもう、「犬養」に影響された「島」。

「家鴨の空」

もし「だ」技法に留まらず、『魔王』的構成が『あひるの空』全てでシンクロしていたとすれば―

県大会3回戦VS妙院戦が終わり、ブツり。

『家鴨の空』というアナザーストーリーが展開されてもおかしくない。

主人公・上木鷹山。

『魔王』・『呼吸』は、それぞれ話し手が変わる。

『呼吸』は、『魔王』主人公 安藤の弟・潤也の彼女が話し手となる。

上で話したBLか?とドキっとしたのは、そのせいです。


僕は、こういう1つのモノを別の目線で、始まるストーリーとか好きなんだよな。

ホントは、話し手でないキャラの心情とかを、読者が読み取ることに小説の余韻だったり、楽しみがあるんだろうけど、その答え合わせができるから。

もう一人のあひる=鷹山からまた「あひるの空」がスタートする『家鴨の空』。

そこから30巻はくだらないぜ。

1年で3巻。

あと10年は、「あひるの空」を味わえる。

終わっちゃダメっす。

そうだ、twitterで「家鴨の空」を連載とか。

<追記:2017/4/24>