あひるの空ヘビーローテーション+

日向武史先生の『あひるの空』が好きすぎて、ネタバレしすぎない程度に考察してます。

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「あひるの空」がアニメ化するべきではない3つの理由

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まえがき

今年はセールにも出かけず、引きこもりライフ。

唯一行ったのはブックオフ。

唯一買ったのは一冊。

そこには、漫画→アニメ化を一喝。

あひるの空&スラムダンクのファンに読んでもらいたい一冊。

韻を踏んでみましたYO。

僕を含め、あひるの空のアニメ化を期待する人は多いと思う。

でも、この本を読んだあと、僕は「あひるの空はアニメ化するべきではない」という結論に至りました。

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「漫画がはじまる」

簡単に、今回手に取った1冊を紹介しておきます。

どこだかの漫画評論家が書いたお堅い漫画論か。

そう思わせるような装丁。

サラ―っと見過ごそうとした時、手が止った。

井上雄彦??

そでを見ると確かに井上雄彦先生のプロフィールが載っていました。

はて、

掛けられてる伊藤比呂美とは誰ぞや。

いつものように目次を流し読む。

これは捨てがたし。

ということで、久々にハードカバーの本を読みました。

内容はね、日向武史先生と僕がインタビュー形式で話してるかの如く(笑)、伊藤比呂美という井上作品マニアが井上雄彦先生本人と「スラムダンク」・「バガボンド」・「リアル」について語るというものでした。

この伊藤比呂美さん、井上作品愛が強すぎて、井上雄彦先生のインタビューを実現させてしまったというなかなかの強者だったのです。

「漫画がはじまる」の目次

漫画がはじまる

漫画がはじまる

見事なことば—まえがき 井上雄彦

第1章『SLAMDUNK』を語りつくす

  • 熊本じゅうを駆け回って『SLAMDUNK』を集める

  • 学生時代は古着屋でバイト?

  • 手塚賞受賞が漫画家になるきっかけに

  • やっぱり三井が好き?

  • 桜木花道のキャラクター

  • 「まきこさん」に自己投影して

  • バスケット漫画の描き方;鮮やかなラストだからこそ

第2章『バガボンド』を語りつくす

  • 『宮本武蔵』と『バガボンド』

  • 死を引き受けることの痛み

  • 『SLAMDUNK』と『バガボンド』をつなぐもの

  • 「小次郎篇」が終わったあと、描くことができなくなった

  • 人と出会い戦いながら、武蔵は人間になっていく

  • 記号と記号の間にあるもの

  • キャラクターの成長、書き手の成長

  • ポジティブな何かが含まれていないと。物語に存在価値はない

  • リアリティの見せ方;個性派ぞろいの脇役たち

  • 生きるということ、死ぬということ

第3章漫画と言葉

  • 同時代の漫画家と影響

  • 仕事のペースとスケジュール

  • 漫画家に必要なものは?

  • 作品をどうやって守るか

  • 言葉の力、絵の力

  • 漫画は情報量が多い?『SLAMDUNK』『バガボンド』『リアル』の違い

井上漫画はお好きですか?「大好きです」—あとがきに代えて 伊藤比呂美 –漫画がはじまる

伊藤比呂美というライバル

僕は、読み進めていくにつれ、伊藤比呂美という人にライバル心を抱くようになりました。

こいつはやべぇ、かなり読み込んでやがる。

そでのプロフィールを見て、詩人であることは分かっていました。

それ以上は、ぜってぇ調べねぇかんなっ!

・・・気が付けば、「伊藤比呂美」をググッてました。そして、まんまとフォロワーになってました。

読んでて気持ちがイイ

伊藤比呂美さんは、作者本人を目の前にしながらも歯に衣着せぬ快調なツッコミで、井上雄彦先生の言葉をどんどん引き出してくれます。

『バガボンド』の映画化の話がきたら、断ります?

そうですね。

一生、だめって言う?

言いますよ、言ってますよ、ずっと。

『SLAM DUNK』は?

以前、テレビアニメ化されたことはありますが、難しいですね。

うーん、こないだ見てみましたけどね。見ないほうがよかったという出来ではありました。

こんな調子で200ページ続きます。

媚びることもなく、ファンが聞きたいところにちゃんと手が行き届いているから、読んでて気持ちがイイ。

僕も最近アニメ「SLAM DUNK」をAmazonで観たけど、どうして自分はあんなクオリティで許していたのか・・・

井上雄彦作品=神クオリティという神話が創り上げられていたことに、その時初めて気づきました。

「アニメ化したら…いや、いいんだ…。」

上の会話に出てきた「アニメ化」についてが、今日の話題です。

あひるの空45巻で、「あひるの空」のアニメ化について、日向武史の今の心境がちょっとばかし伺える部分がありましたね。

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アニメ化したら…いや、いいんだ…。

を日向武史は繰り返している。

日向武史先生が40巻以降たびたび披露している「あひるソング」は、挿入歌としてのセットリストなんだということが分かりました。

時として曲からインスピレーションを受けたストーリーも存在しているようだけど。

アニメ『あひるの空』すごく観たい。すごく観たいのだけれども、今は「アニメ化するべきでなない」に一票を投じるファンになっている。

それは、今日紹介している本の中で、井上雄彦先生が、そして、ファン目線の伊藤比呂美氏が答えを導き出してくれているから。

今からでも遅くはない、日向武史先生にこの思い届くだろうか。

日本を変えてしまったバカ野郎

あひるの空のアニメ化については、日向武史先生自身、こんなエピソードを39巻そででコメントしている。

過去に2度、映像化の話をもらったことがある。頂いた脚本の結末はどちらも「空がNBAの舞台へ…」だった。

一回目は「テーマと違う…」と思って断ったけど、二回目の時は巻数もそこそこ進んでたし、正直「まだ解って貰えてない」というダメージの方がでかかった。

とんだバカ野郎がいるもんだ。

あの時、伊藤比呂美氏の井上作品愛の如く、日向武史先生愛に溢れた脚本家が話を持ってっていれば、今頃アニメ『あひるの空』は存在し、空前のバスケブームになっていて、それにBリーグも乗っかって、Bリーグも今とは違う未来になっていたに違いない。

このバカ野郎は、日本を未来を変えてしまったんだ。

でも逆にね、このバカ野郎のおかげで「あひるの空」は守られたのかもしれないのです。

アニメ化するべきではない理由①

「漫画が始まる」で、僕が特に面白かった!と思ったのが、井上雄彦先生の漫画論を井上雄彦先生の言葉で語られているところ。

上の2人の会話は、こんな風に続きます。

漫画をもとにしたアニメって、どだい無理ですよ。
漫画ってすごく進化しているように見えるけれど、紙のうえでの表現、つまりいちばん古いものを持っているものでもあると思うんです。
それがアニメになったとたん、絵の上の表現が全部壊れちゃうんですよね。なんだろう、「ためらい線」がなくなっちゃうんです。
そのある・なしがすごく大きい。ペン入れした時点で、ためらい線は全部消えているはずなのにね。それでもやっぱり、そこに揺らぎがあるんですよ。
線一つとっても、その中に色んな情報がある。それをアニメにすると、不思議なことに完璧になくなっちゃう。
漫画がアニメになって成功した例は、私の知る限りただ一つ。なんでしょう?

―中略―

ためらい線かどうかわからないですけれど、アニメと違い、絵は線に体温があるというか、そういう感じはきっとあると思いますね。

ところで、井上さんは著作権を出版社に預けないで、ご自身で管理してらっしゃいますよね。自ら管理しようと思ったのには、何か理由はあったんですか?たとえば「自分で自分の権利を守ろう」みたいな。

権利というか、いちばん大きかったのは、『SLAM DUNK』がテレビアニメになったとき、いろんなキャラクター商品がいっせいに出たんですが、「これ、全然花道ににてないじゃん」っていうものまで出てしまって、歯止めがきかないんですよ。
それには耐えられなくて。だから「これはOK」「これはダメ」というのを、自分でジャッジしたかったんです。
コントロールしないといけない、と。

「漫画がアニメになって成功した例」が気なる人は、本を読んでみて下さいな。

著作権というところで、先人の井上雄彦先生が語ってくれています。

もし、上のバカ野郎の企画で「あひるの空」がアニメ化されたら、恐らく同じ現象が起きていたかもしれません。

現に、46巻で日向武史先生が怒っていた「未来」の件からも言えるように、「あひるの空」が一人歩きし始めています。

バカ野郎が火を付けていたら、それこそ一人歩きしてNBAまで届いてしまった気がします。

アニメ化するべきではない1つの理由は、そこです。

「あひるの空」の世界観が守られ続けるのは、漫画上だけなんだと思います。

アニメ化するべきではない理由②

井上雄彦先生は、こんな漫画論も話してくれています。

「前に戻って描き直したいという欲望はないんですか?」

という伊藤氏の問いに、こう答えています。

もうさんざん下手なところを晒してきているんで、今更戻ってもしょうがないし、たぶん書き直したからと言って、当時のものよりもいいものにはならないと思うんです。
絵のスキルは上かもしれないけれど、その時の空気、キャラクターの表情や気持ちにしても、何を信じているかにしても、きっと、全部この時じゃないと出ないものを描いているんです。
だから今の自分が描いても、嘘になってしまうので、絶対超えられないと思うんですよね。
単行本化にあたっても加筆修正をあまりしないのも同じですね。

加筆修正をしまくってる日向武史先生をチクリと刺すような井上雄彦漫画論。

「あひるの空」のコミックの魅力は、その加筆修正部分なんですけどね~

妙院戦なんか試し試し感あるもんね。

井上雄彦先生が避けている部分を、真っ向からやってる日向武史先生の精神力がすげぇってことで丸く納めておきます。

で、アニメ化するべきではない2つ目の理由が、「熱量」だと思います。

「SLAM DUNK」のアニメは、漫画連載中に放映されていました。

つまり、熱量の誤差が少ないうちに、井上雄彦先生は制作に関わることができたのだと思います。

もし、これから「あひるの空」がアニメ化されたとしたら、おそらく熱量が追いつかないと思うんです。

皮肉にも、その「高校の部活の熱量」もテーマとなっている作品だから視聴者にそれが伝わらないままフェードアウトしていくアニメになってしまうのが目に見えます。

ファンは、そんな「あひるの空」はみたくはないです。

アニメ化するべきではない理由③

日向武史先生は、アニメではなく映画監督に挑戦するべきではないか。

というのが3つ目の理由です。

「あひるの空」のアニメ化は止め、実写映画化というのではない。

全く別の映画。

日向武史先生は、22巻でこんなことをつぶやいてました。

映画作りたくて東京出て来て、挫折はしたけども漫画という別の表現方法でやりたいことを形にできている。…うん、幸せだ。人と上手く接することのできない自分にはこっちの方が性に合ってるらしい(笑)。

この歯切れの悪さ。

46巻で見せた「アニメ化したら…いや、いいんだ…。」と同じくらい。

映画監督の夢もまだ諦めていないハズだ。

井上雄彦先生は、映画制作についても本の中で、こんなことを語っていました。

漫画は、アシスタントを使っているにせよ、自分がコントロールしてできあがるから、一人の人間の考えがすごく出しやすいものですよね。
映画のほうは「監督のもの」という言い方ができるかもしれないけど、役者やスタッフを何百人も使うなど、人と何かを分け合いながら作らないといけない。
それは監督の思うようにいく人数じゃないですよね。
自分一人で全部やっちゃうんじゃなくて、役割を分担しながら何かを作ることは、たぶん僕にとってはすごく良いチャレンンジになると思うんです。

井上雄彦先生の映画観たし。

日向武史先生もそんなチャレンジとして、映画の世界へ再チャレンジしてもらいたいのです。

「あひるの空」が終わった時がちょうどいいスタートラインじゃないか。

最後はそんな受け売り願望系の理由。

日向武史先生の映画も観たし。

青春バンド系のやつかな。

最後に

僕が、「あひるの空はアニメ化するべきではない」派に回ったのは、これら井上雄彦先生の言葉からでした。

「漫画がはじまる」を読み終え、「やっぱり井上雄彦先生は偉大なり。」という思い。

「SLAM DUNK」は語られすぎて先人の二番煎じに絶対なるし、「バガボンド」は歴女に勝てそうもないから、「リアル」ヘビーローテーションをいずれ立ち上げようかな。

”ヘビーローテーション”をブログシリーズ化するもありか。

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