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あひるの空ヘビーローテーション+

日向武史先生の『あひるの空』が好きすぎて、ネタバレしすぎない程度に考察してます。

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日向武史先生からの「文通」をまとめてみました。

#あひるの空データベース 日向武史先生コメント

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あひるの空ファンがコミックス発売を楽しみにしてる1つは、巻頭・巻末の「そで」と言われる部分に書かれる日向武史先生の生の言葉。

僕のあひるの空の読み方は―

漫画を傷付けないようにラップを破る(イライラ)

脇目もくれず、そでのコメントを読む。(イライラ治まる)

スピードを意識しながら本編を一読(画だけで読む感じ)

そでのコメントをまた読む(納得)

そしてもう一読(今度はじっくり)

更にもう一読(コマ一つ一つを見る感じ)

前巻から通しで読む

繋がりを感じる巻を引っぱり出してもう一読

いつもこんな感じ。

そでを読むのは、最初だけだけど、文通をしてる感じで読んでる。

そんな「文通」をまとめてみました。

僕の「返信」は、また別の機会に。



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1巻

あひるの空 (1) (少年マガジンKC)

あひるの空 (1) (少年マガジンKC)

よかった、また単行本が出せて。

2巻

あひるの空(2) (講談社コミックス)

あひるの空(2) (講談社コミックス)

先日、マガジンSPECIALの取材を受けた。

朝基まさし先生の所で、アシスタントをしていたという話をしたとき、ふと、

「そういえばサイコメトラーEIJIのアシ紹介ページに描いた似顔絵はイミもなくアヒルだったなあ」

と思い出した。これは、たぶん運命。

3巻

あひるの空(3) (講談社コミックス)

あひるの空(3) (講談社コミックス)

この作品は基本的にギャグ漫画なので見出しとかに「本格バスケット漫画」とか書かれると、ちょっとツライ。

―本格バスケット漫画・・・・

いつか挑戦したい(笑)

4巻

あひるの空(4) (講談社コミックス)

あひるの空(4) (講談社コミックス)

ハタチくらいのとき、友達とバスケをやる場所を探しさまよって深夜の中学校に車でのりこみバスケットゴールをヘッドライトで照らしてバスケをした。

そのあと近所の人に通報されてパトカーとカーチェイス。

淡い想ひ出。

5巻

あひるの空(5) (講談社コミックス)

あひるの空(5) (講談社コミックス)

まるまる1冊分、合宿編ということですが描ききれない部分もたくさんあって

正直、合宿ネタだけで1年くらい連載できると思ってました。それくらい、高校の時の合宿は楽しかった。

6巻

あひるの空(6) (講談社コミックス)

あひるの空(6) (講談社コミックス)

表紙等で九頭高のユニホームがコロコロ変わってますがいまだ決定できません。

その理由は千秋と百春に似合うユニフォームがないからです。

7巻

あひるの空(7) (講談社コミックス)

あひるの空(7) (講談社コミックス)

この7巻と6巻は、マガジンに載っていたものと多少展開が違います。

なんとかバスケのスピード感みたいなものを表現したくてムダなヒキ(各話の最後のページ)の部分はほとんどカットしました。

そして死力を尽くして描き足しました。

気に入ってくれたら、嬉しいです。

8巻

あひるの空(8) (講談社コミックス)

あひるの空(8) (講談社コミックス)

近頃―。

バスケしたい

バンドしたい

でも やっぱし漫画描かなきゃ。

9巻

あひるの空(9) (講談社コミックス)

あひるの空(9) (講談社コミックス)

片岡鶴太郎さんの水墨画に憧れて、

今回こんな表紙を描いてみました。

やり方がまったくわからなかったので、水で濡らした画用紙に筆ペンでほぼ一発描きしたものです。

8巻からね、だんだんチャレンジャーになってきてます。

今はその姿勢を大事にしたい。

10巻

あひるの空(10) (講談社コミックス)

あひるの空(10) (講談社コミックス)

ほぼ一話分の描き足しと描き直し。

・・・・死ぬかと思った。

11巻

あひるの空(11) (講談社コミックス)

あひるの空(11) (講談社コミックス)

9巻のおまけ漫画を描いてから

いわゆるつっこみレターの数が倍増しました。

そのうち『つっこみベスト100』なんてのもやれそーな勢いです。

みんなよく見てるなーと思いつつ、俺よっぽど

間違えてんだなと反省をしております。

12巻

あひるの空(12) (講談社コミックス)

あひるの空(12) (講談社コミックス)

ようやく一区切り…というかやっとスタート地点です。

『あひるの空』というタイトルに込めた想いを

この12巻に凝縮できたんじゃないかと思ってます。

13巻

あひるの空(13) (講談社コミックス)

あひるの空(13) (講談社コミックス)

ナゼかは解らないんだけど、この漫画は『子供と一緒に読んでます』という親御さんからの手紙が非常に多いです。

世間一般の、漫画やゲームの手紙が非常に多いです。

往々にして悪いことのほうが多かったりするんですが・・・、

なんかこう・・・救われた気持ちになります。ありがとう。

自分も子供ができたら沢山漫画読ませたいです。

14巻

あひるの空(14) (講談社コミックス)

あひるの空(14) (講談社コミックス)

島田紳助監督の『風、スローダウン』という映画が大好きで。

ダラダラぶらぶらして過ごしていた二十歳の頃、この映画を見て

”なにかやんなきゃ”とその一歩を踏み出した。

目指してるのは傑作や名作なんかじゃない。あのときかられた衝動を、誰か一人にでも受け継いでもらえたら本望。

そんあ気持ちでこのあひるの空を描き続けてます。

15巻

あひるの空(15) (講談社コミックス)

あひるの空(15) (講談社コミックス)

この漫画の舞台になってるここ川崎にもう十年近く住んでます。

近頃はこの辺も都市開発化が進んで風景もめっきり変わってしまいました。

済み始めた当初、アスファルトの上でおしっこをする野良猫を見て悲しくなって思わず泣いてしまったことがあります。

でも今では野良猫を見かけることさえ少なくなってしまいました。

「代償」という言葉が重く響きます。

そんな時代のスピードはいざ知らず、週刊連載にあるまじきスローペースでお送りしてます。15巻です。

16巻

あひるの空(16) (講談社コミックス)

あひるの空(16) (講談社コミックス)

絵が上手くなりたいなぁ…と、

16巻まできて改めて思いました。

精進。

17巻

あひるの空(17) (講談社コミックス)

あひるの空(17) (講談社コミックス)

毎回裏表紙にはその巻の中で気に入ってる台詞とか、

特にメッセージ性のある言葉をチョイスして載せてるんだけど、

今回はいつになく後ろ向き(?)言葉を選びました。

作中で呼人が放つその台詞は正にこの漫画のタイトルそのもので、僕の描くべき最大のテーマの一つだと思っています。

18巻

あひるの空(18) (講談社コミックス)

あひるの空(18) (講談社コミックス)

中学のときはバスケ部がなかった。…いや正しくは、あったんだけど誰も入る人がいなかった。

壮行会で怒鳴り散らす鬼のような顧問の先生に委縮してか、部員は数年間ゼロのままだったらしい。

僕は仲のいい友達と剣道部に入った。剣道部は他の部と違って悪い人達がいなかった。練習はきつかったけど、楽しかった。…でもどこか寂しかった。僕はやっぱりバスケがしたかったのだ。

休み時間は、バスケばかりしてた。チャイムと同時に校庭に飛び出し、汗だくで授業に舞い戻った。

そんな僕の姿を、あの鬼のような先生が見ていた。五月の頭、剣道場に彼が来た。そして呼び出した僕に、『バスケ部に入れ』と頭ごなしに命令口調で言い放った。仮入部期間は既に終わっていた。練習も本格的に始まっていた。防具の姿の僕を見て先生は、『その防具を買い取ってやってもいい。頼むからバスケ部に入ってくれ』と言った。防具は僕の物ではなかった。先生の額から大粒の汗が流れていた。暑い日だった。

結局僕はその誘いを断ってしまった。一人でそこに飛び込む勇気がなかった。…バスケ大好きだったのに。本当は物凄くやりたかったのに。

それが、僕の人生の最大の後悔。そしてこのあひるの空を描くきっかけになった出来事です。

19巻

あひるの空(19) (講談社コミックス)

あひるの空(19) (講談社コミックス)

20歳くらいの頃、

友達とクラブチーム的な集まりを作って

バスケやったときに使ってたバッシュです。

ガピガピのボロボロです。

あまり人気のあったモデルではないけど、

デザインとかフォルムがすごく気に入っていて

ずっと捨てずにとってありました。

新キャラに履かせてみようと思います。

20巻

あひるの空(20) (講談社コミックス)

あひるの空(20) (講談社コミックス)

『常に生産性のある日々を』

師匠(だと勝手に思い込んでる)である

和泉誠先生から教えて頂いた言葉です。

紙やら何やら大量の資源を消費している分

この漫画から何か生まれたらいいなぁと

日々思っています。

21巻

あひるの空(21) (講談社コミックス)

あひるの空(21) (講談社コミックス)

ラジオで聴いたちょっといい話。

日本の少年はアルバイトを探すとき、まず本屋に行くんだそうな。

一方アメリカの少年は真っ先に自転車を用意するんだそうな。

バスケ部のない中学、高校というのは僕らが思ってる以上に多い。

バスケに限らず自分のやりたい事が選択肢に入ってないことなんてザラにある。そんな中、

『今までバスケ部のなかった学校で数人集まってバスケ部を作りました』という手紙をたまにもらいます。

『与えられてるものだけが全てじゃない。欲しいものは自分たちの手で、足で掴みに行け』

そんな素敵なメッセージ。

あひるの空21巻です。

22巻

あひるの空(22) (講談社コミックス)

あひるの空(22) (講談社コミックス)

写真のCDはこの世で一番好きな曲。

田舎育ちのせいか、上京して夢を追うということに物凄く執着がある。

映画作りたくて東京出て来て、挫折はしたけども漫画という別の表現方法でやりたいことを形にできている。…うん、幸せだ。人と上手く接することのできない自分にはこっちの方が性に合ってるらしい(笑)。

あの頃一緒に奮起した仲間達、夢半ばに地元に帰ってしまった人もいるけど元気にしてるかな。

この巻で仕事を離れ実家に帰るアシスタントの子へ。必ずこの夢の世界へ戻ってきて下さい。

ここには人生という自分の全てを賭けるだけの価値が確かに存在します。

大変かもしれないけど、頑張れ。俺も頑張る。…たまには電話してくれ。

23巻

あひるの空(23) (講談社コミックス)

あひるの空(23) (講談社コミックス)

週刊少年マガジン創刊から今年で50周年なんだそうな。スゴイね。

自分が生まれるずっと前からこの雑誌はあるのだ。

ほんのちょっとでもその歴史に関わらせてもらえていることを嬉しく、そして誇りに思います。

これからも頑張っていこう。

24巻

あひるの空(24) (講談社コミックス)

あひるの空(24) (講談社コミックス)

この巻に実は描き下ろしの読み切り(文化祭の話)を載せたかったんだけど、

一応まがりなりにも主軸がバスケットボールなのでなかなか差し込みどころがないのと、

今回も単行本の容量ギリギリまで話数を詰め込んでるので結局入れられませんでした。

他にも主軸とは関係のない話のストックは結構あって…トビの昔話やヤスの空手部時代の話とかね。

こうなったらそーゆう話だけの単行本を出したいというか…今それがちょっとした夢です。

25巻

あひるの空(25) (講談社コミックス)

あひるの空(25) (講談社コミックス)

たぶんきっと、おそらくだけど・・・・

この漫画50巻までいく(笑)イェー

26巻

あひるの空(26) (講談社コミックス)

あひるの空(26) (講談社コミックス)

前巻から少し間が空いてます。…ほんのちょっとね、息継ぎを

27巻

あひるの空(27) (講談社コミックス)

あひるの空(27) (講談社コミックス)

今回の北住吉戦を描いてる途中に最終ネームを切りました。

あとはひたすらそこを目指すだけです。

28巻

あひるの空(28) (講談社コミックス)

あひるの空(28) (講談社コミックス)

連載当初から掲げてきた一つのテーマにいろんな角度からカメラを当ててここまで物語を紡いできたんだけど、

どこかで真逆のことを描かなきゃいけないと、ずっと思ってました。

そらはそのテーマの表裏一体な部分で、漫画的にはあまり望まれない…描かなくてもいいことなのかもしれません。


でも描きました。

悩んで悩んで、葛藤しながら作業していたことが絵や演出的なものに思いっきり出てしまっていて、

正直自信を持ってお薦めできる巻ではないです。

ただ、漫画の中であまり時間を飛ばさずに『一年』を描いてきた甲斐があったとも思う、そんな28巻。

29巻

あひるの空(29) (講談社コミックス)

あひるの空(29) (講談社コミックス)

80年代のゲーマーとして思うことがある。

最近体を動かして遊ぶゲームが増えてるけど、体が動いてしまうゲームは出ているだろうか。

あの頃僕らはヒゲのおじさんと一緒にジャンプして、座布団の上でハングオンしたり飛び交う炎や弾丸をスウェーイングしながら存在しない慣性の法則に体をよじらせていた。

また当時のゲーセンのゲーム台のボタンは押すと奥でカチッとなるタイプのものが多くて、

指の先に神経を集中させてカチッとなる寸前のところを感覚で把握できることが一般人とゲーマーの別れ道だったりもした。

いつの頃からかそれはただパタパタ叩くだけの感触のないボタンの主流へと変化していって、

今じゃタッチパネルなんてものが日常の中で当たり前になってる。

子供の頃に想像した未来よりも今は遥かにそれを飛び越えてしまったけど、

何かとても大事なものを失くしているような、そんな気がしないでもない。


何が言いたいかというと、…漫画はやっぱり紙がいいよね。

30巻

あひるの空(30) (講談社コミックス)

あひるの空(30) (講談社コミックス)

音楽でも映画でもなんでもそうなんだけど、自分がディープにハマるものには必ず一貫した共通点がある。

それは、小さじ一杯の悲壮感。暗闇の中で、遠く遥かに見える光を希望に生きていく。

でもそれはたぶん太陽の光じゃなくて…みたいな。そんなのがいい。


『読者を楽しませたい』とペンを走らせる作家は多いと思うけど、僕はどちらかというと読者を傷付けたい。

忘れかけてる、忘れようとしてる心の傷をえぶってやりたいのだ。ドラクエの鉄の爪みたいなの手にはめて『ザカッ!』って。


あひるの空もこの巻でもう30巻。

途中の何話か、もしくはどこかのワンシーンでも、誰かの大切な大切な場所に深く突き刺さればいいな、と心から思います。

31巻

あひるの空(31) (講談社コミックス)

あひるの空(31) (講談社コミックス)

高校のとき部活の顧問の先生が車を買うことになって。

遠征だのなんだので大人数乗れて沢山荷物詰めるのがいいってんで9人乗りのハイエースを新車で買った。

あのときの自分には分かんなかったけど、車なんて一生のうちにそう何台も買えるものじゃない。

ましてや新任の先生でお給料だって決して高くはなかったハズなのに、先生はカタログ見ながら嬉しそうに『やっぱり(色は)ブルーがいいよな』と僕達に意見を求めてたのを覚えてる。


納車してすぐ女子が天井を破って可哀相だったけど、 そんな先生と一緒に高校生活を送れた自分達は、きっと幸せだったと思う。

32巻

あひるの空(32) (講談社コミックス)

あひるの空(32) (講談社コミックス)

連載当初から『部活を途中で辞めてしまった…もう一度バスケをやりたい』という手紙をたくさん頂きます。

その中で、辞めた理由として最も多くみられるのが『イジメ』です。

ずっとどこかでそのテーマに触れなきゃいけないと思いつつもやれずにここまできました。

ただ自分はこの問題に対して答えを持ってなくて、どうすればイジメがなくなるとか解決法も知らないし分からない。

逆にね、たぶん一生なくならないんじゃないかとも思う。

自分は危険思想の持ち主なので、あまり深く入っていかないように気を付けました。


物語的にはちょっと寄り道かもしれないけど、牧野君は大好きなキャラです。

33巻

あひるの空(33) (講談社コミックス)

あひるの空(33) (講談社コミックス)

いきものがかりの『心の花を咲かせよう』という曲が大好き。

あひるの空はもう8年連載してるんだけど、それでもまだ伝えたいことの半分も表現できてない…。

まぁ、技術の問題だったり寄り道してばっかりなのがほとんどの原因な訳だけども。

それでも…なんというか、自分が想像してる展開とか情景を百パーセントそのままの形で描写するというのは本当に難しい作業で。そもそもその理想型すらもやもやした霧の中にあるような…
文字通り雲を掴むような話だったりします。

そんな自分なんかがおこがましい話なんだけれども、この曲を初めて聴いたときに『あっ…!!』って思ってしまった。

たった4分41秒のその中に、自分の理想型が全部詰まってる気がしたんだよね。

本当に、とてもとてもステキな歌。

それからは迷ったり行き詰ったりしたときに必ずこの曲を聴くようにしてます。
…要するに、ほぼ毎日。

34巻

あひるの空(34) (講談社コミックス)

あひるの空(34) (講談社コミックス)

漫画でバスケットを描くのが難しい理由の一つに、音の表現があると思う。

例えばミットに剛速球がズバンと決まったり、思いきり足を振り抜いたシュートがネットを突き刺す。

体をくのじに反らして放つスパイクや思わず声の漏れるサーブ…等。

どれもそこには『力強さ』があって、これは読者の爽快感にも繋がるものなので漫画として非常に大事なことなのだ。

しかしバスケットにはそれがない。キレイなシュートほど音がなかったり、鋭いドライブの予備動作ほど一瞬で、

そこに力強さ…つまり迫力を持たすことが逆効果になってしまう場合が多々ある。

唯一漫画らしい表現(擬音)ができるのはダンクシュートだけなので、演出的に苦しくなってくるとついついそこに手を出してしまう…。


マガジンで連載が決まったとき『ダンクはなるべく描かないようにしよう』と決めて臨んでから何回ダンクシュートを描いただろう。

女子の試合を描いて、改めて自分が今まで成長してなかったのかを思いしらされた。

35巻

あひるの空(35) (講談社コミックス)

あひるの空(35) (講談社コミックス)

九頭高と丸高との試合は、自分にとって『清算』の意味があります。

九年前の思いや辛かったこと…。

試合直前の話で千秋が言った『この日が来なければ~』という台詞は、

僕自身の本音の気持ちを表したものでした。

39巻

あひるの空(36) (講談社コミックス)

あひるの空(36) (講談社コミックス)

俗に言う大人の事情で、そのうちどんどん本の価格は上がるんだそうな。

デジタル化の影響もあるし、きっと今よりももっと本は売れなくなっちゃうのかも。


漫画家を目指し始めた頃、担当の『どういう漫画を描きたいか』という質問に、

自分は『本棚に並べておきたい漫画』と答えた。

担当さんは漫画のジャンルを聞いたみたいで、苦笑いしてなんか変な空気になっちゃったけど、

僕の信念は今も、ずっと変わってないです。


このフルボリュームは、その信念の延長線上にある自分なりの『挑戦』です。


だから、今回は謝らない。

37巻

あひるの空(37) (講談社コミックス)

あひるの空(37) (講談社コミックス)

カラカラのスポンジを絞って、一滴の水を乞う。

38巻

あひるの空(38) (講談社コミックス)

あひるの空(38) (講談社コミックス)

35巻のここで、僕は九頭高と丸高の試合を『清算』と書きました。

1000ページ近い原稿を使って、結果的に何がどう清算されたのかは正直自分でもよく分りません。


漫画を作るとき、敵は単に敵として登場することが多いですが、実はそれは踏んではいけない地雷で、

僕は最初に丸高を登場させたときに、その地雷の威力を知らずに、何も考えずただ『敵』として描いてしまいました。

漫画として致命傷にならなかったのは、急遽間に合わせで登場させた、たった一人のキャラクターのおかげだと思ってます。


長かったですが、この4冊の単行本で敵の『想い』が昇華できていることを願ってます。

39巻

あひるの空(39) (少年マガジンコミックス)

あひるの空(39) (少年マガジンコミックス)

過去に2度、映像化の話をもらったことがある。頂いた脚本の結末はどちらも「空がNBAの舞台へ…」だった。

一回目は「テーマと違う…」と思って断ったけど、二回目の時は巻数もそこそこ進んでたし、正直「まだ解って貰えてない」というダメージの方がでかかった。


「どうやったらあひるの空を解ってもらえるだろう」


答えはもう何年も前にネームという形で出ていたけれど、それはあたかも読者をふるいにかけるような行為で、スポーツ漫画としてやっちゃいけないことのような気もしてた。


でもなんていうか…ここまであひるの空を好きで追いかけてくれた人達にはすんなり受け入れてもらえるんじゃないかという変な安心感もありつつ、迷いみないたものはあんまりなかったな。


これはあひるの空の最終回。
だけどもまだ、結末より大切なシーンがこの先に待ってる。

40巻

あひるの空 LOST AND FOUND(40) (講談社コミックス)

あひるの空 LOST AND FOUND(40) (講談社コミックス)

ちょっとゲームの話。

僕は子供の頃からファミコンの・・・ドラクエとかのRPGが大好きで。

RPGってのは簡単にいうと、キャラの能力値を上げながら稼いだお金で強い武器や防具を買って更に強い敵を倒していく・・・というものなんだけども、

ことアクションRPGというジャンルに限っては、その発想は完全に逆転させた方が面白いと思うのです。

つまり、戦い方の分からない不慣れな序盤は能力や体力の数値を含め武器も防具も強い。その代わりにレベルが上がるごとに少しずつパラメーターは下がりアイテムや装備も徐々に乏しくなっていくが、物語が進めば操作に慣れ戦い方が身に付き、地図の歩き方を覚えていく。 やがて装備の強靭さよりも指先の技術と鍛えられた勘がものをいう世界。 いつしかのラスボス戦は裸一貫、一発即死の勝負、みたいな。

なんでこんな話をするかというと・・・、 週刊連載ってなんかそんな感じだなと思って。 ・・・個人的にだけど。

いつかおじいちゃんになったら、 また昔みたいにゲームに明け暮れたいと思う、今日この頃。

41巻

あひるの空 AROUND THE ROUND(41) (講談社コミックス)

あひるの空 AROUND THE ROUND(41) (講談社コミックス)

あるTVアニメで。 劇中衰弱したヒロインに、 主人公が砂漠に生えていたカサカサの実を絞り、 一滴の水を与える…というシーンがある。

丸高戦の後半から39巻にかけての話を、 僕はマガジンの連載中『もう終わってもいい』 という心境で描いてました。 それは決して物語が…という意味ではなく。

いろんなものを犠牲にして、 結果的にたくさんの人に迷惑をかけたけれども、 自分の中では『それでもいい』という、 説明しようがない変な覚悟だけがあって。

大事な人がこの世を去るその瞬間も、 僕はただただ必死に漫画を描き続けていました。

ごめん、お母ちゃん(笑)

あのとき頭の中にずっとあったのは、 子供の頃から大好きだったアニメの、あの”シーン”。

鉄骨さえも折り曲げる怪力で絞り出した、 その”一滴”を。

42巻

あひるの空 RAINDROP NARROW DOWN(42) (講談社コミックス)

あひるの空 RAINDROP NARROW DOWN(42) (講談社コミックス)

確かこの菖蒲戦くらいからマガジンの電子書籍化が始まって、今はもう作品単体毎にダウンロードできるらしいです。

”本が売れない時代”に、出版社自ら突っ込んでいってる気がしないでもないけども。


いろいろ批判あると思うけど、あひるの空の単行本は現時点でほぼ全ての電子書籍化を断ってます。
作り手が”本”になることを想定して描いてる以上、読者に届く形態はやはり”本”であってほしいという僕の勝手な要望です。


何人の人が理解をしてくれるのか…
時代に逆行した行動はいろいろと損をすることが多いんだけども。
こんなに漫画が世に溢れてんだもん、一人くらいそこにこだわる作家がいたっていいじゃない。

43巻

あひるの空 RAINDROP NARROW DOWN(43) (講談社コミックス)

あひるの空 RAINDROP NARROW DOWN(43) (講談社コミックス)

表紙のこと。

僕は普段からこのあひるの空という漫画を”自分の作品”と称すことが多いのですが、マガジンという商業誌で連載して本を出させて貰っている以上、本当は”会社の商品”という解釈が正しい訳で。

その間違った認識は、きっとこういう仕事をしてる人達にとっては少なからず共通の葛藤だと思います。

今はこういう時代だし。
アニメ化も実写化もせず変な限定版も出さないし帯も付けない。飾りのないタイトルロゴだけのシンプルな”商品”がどれくらい売れるのかは、もう中身が面白いか面白くないかでしか決まらないんじゃないかと。

決して自信があってやってる訳じゃなくてね。
ある意味その逆なのです。

ストーリー的にももちろん意味はあるんだけど、それはまたそのうち…いずれ分かる事かなと思うので。

44巻

あひるの空 STOMPING BIRDS HIGHFLY(44) (講談社コミックス)

あひるの空 STOMPING BIRDS HIGHFLY(44) (講談社コミックス)

降谷建志の『Wish List』を聞いてほしい。

Dragon Ashは初期のゴリゴリのギターロックの頃から大好きなバンドで、そのボーカルである降谷建志は作中のトビのモデルでもあります。

(勝手にごめんなさい)


その彼の、ソロアルバムに収録されてる一曲。

感性なんてもんは人それぞれで、自分と同じように感じてくれる人がどれくらいいるか分らないけど、僕はこの”空気感”に触れたくてずっとこの漫画を描いているのです。


いつか智久が言った”試合の日の空気の匂い”に近いかもしれません。


ただ、それを漫画で表現するのはほぼほぼ無理な作業で…だって目に見えないし、言葉ですら形容できないものだから。

…それが、この曲の中にはあるんですよ。
12年描いてきても届かないものが確かに、ね。
33巻のコメントでも書いたけどさ、ミュージシャンってホント凄い。


次巻あたりでまた「あひるソング」紹介できればと思います。

45巻

あひるの空 BIGTIME CHANGES(45) (講談社コミックス)

あひるの空 BIGTIME CHANGES(45) (講談社コミックス)

子供の頃、夏休みを無限に感じた。

逆に大人になってからの同等の日数があまりにも早く感じる不思議は、経験や蓄積された記憶による差なんだと偉い人は言う。


僕は少し違うと思う。


たぶんだけど、その”差”にはおそらく地球の重力が関係していて、難しい計算はよく解らないけども、きっと空とモキチでは感じる時間のスピードは異なるんじゃないかという、そんな解釈。


僕は小学二年生の七ヶ月を病院のベッドで過ごした。
あの七ヶ月は、時間の感覚で言えば正に無限で、たぶんいろんなものを習得する機会を多数失った期間だったと思う。


それを”経験”と言っていいものなのか…、
手探りもできず流れてしまった時間はもう無価値だけど、せめて自分の漫画で記すくらいの恩恵は、受けてもいいと思うんだ。

46巻

あひるの空 PAST AND TOMORROW(46) (講談社コミックス)

あひるの空 PAST AND TOMORROW(46) (講談社コミックス)

この巻の編集作業を行ってる中、遂にBリーグが始まりました。


これにより当初想定していた物語の行先を、

僅かだけど角度修正したのが今回の読み切りになります。

1度か2度くらいの、本当に微妙なものだけど。


遥か昔の話になるけれど、あひるの空の第一話では自身が夢見る将来像という形で、アルバルクでプレイする空が描かれています。


全巻で「ほぼ全てのキャラの未来を想定している」と書いたけど、実は主人公の空だけは曖昧にしていて、なんとなくぼんやりは決めてるけど…なんていうか、今回と同じように、想定してたものとは少し違う未来がくることを、どこかで期待している自分がいます。

たとえそれがレギュラーな事象だとしてもね。


要するに、未来ってのは不確定な、ただの言葉。

あひるの空 BEST SELECTION+

あひるの空 BEST SELECTION+ (講談社コミックス)

あひるの空 BEST SELECTION+ (講談社コミックス)

以前からずっと形にしたかったこと。

それはあひるの空の番外編的な読み切りだけで構成した単行本を出す、というもの。


ただやはり本誌での連載をしながら読み切りを描くというのは、遅筆の自分にとっては至難の業でして…。


なのでとりあえず実験的ではありますが、ミュージシャンのベストアルバムみたいなものを作ってみました。

…でもそういうのってよっぽどそのミュージシャンを好きじゃないと買わないと思うんです。

世間に浸透してる大ヒット曲があるわけでもないし。


だから僕はあえて、

「あひるの空を大好きな人達は自分と同じアンテナを持っているはずだ!!」

…と勝手に信じてこの本を作りました。


内容はほぼ再収録のものばかりだけど、新曲(笑)は心を込めて描いたよ。


ほんの少しでも、届いてくれたら嬉しい。

Wish List

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  • 降谷建志
  • オルタナティブ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes