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あひるの空ヘビーローテーション+

日向武史先生の『あひるの空』が好きすぎて、ネタバレしすぎない程度に考察してます。

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せめて部活では、イジメとは無縁の真っ青な世界で。

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最近辛いニュースを耳にしました。

www.asahi.com

それは、怒りさえ込み上げてくるものでした。

今日は(笑)なしに、マジメに書こうと思う。

あなたにとって、不快な表現があるかもしれません。

お許し下さい。



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きっかけなんて何でもいい

このニュースは、妻と一緒に観ていました。

「何なのっ!ありえないっ!」

僕より先に込み上げてくるものを吐き出したのは妻でした。

僕は、当時、帰宅困難者の1人とはなったものの、それ以降は、ちょっと仕事に支障が出ただけで、1ヶ月後には普通の生活を送ることができました。

そして今は、3・11が来る度にやる特番で、あの時を思い出すだけで、今は何不自由なく暮らしてしまっています。

我が家には、今年小学校に上がった息子がいて、イジメにはちょっとナイーブになってる今年。

そんな色々が一気に押し寄せたこのニュースが、僕たちをすごくいたたまれない気持ちにさせました。

「イジメる子の心境が分からない」

イジメたことも、イジメられたこともない妻はそう言って、何かを発散するように台所で料理を始めました。

僕は妻の背中越しにこう言いました。

「きっかけなんて何でもいいんだよ。」

僕の中にあるモヤモヤ

そんな言葉を吐きながら、人生で唯一イジメに加担した小2の頃を思い出していました。

彼は、小2から転入して来ました。色白で女の子のような顔立ち。

いつしかそんな容姿を「オカマ」と言い出し、言葉の暴力だけだったのが力の暴力へとが変わっていきました。

30数年生きてきて、人の顔をグーで殴ったのは、この時だけです。

もし人生を1度だけやり直せるなら、この小2からやり直したい。

もしタイムマシーンができたら、あの時の自分に「そっちじゃないだろ」と道を正してやりたい。

僕の中にはそんなモヤモヤが今でもあります。

「正」と「負」の世界

僕は妻にこう続けました。

「イジメるきっかけが分かりやすかっただけ、それ以上は何にもないよ。”デブ”っていうのと一緒でしょ?きっと。」

もし、それ以上の思いがあるなら、その子は狂ってる。

それを聞いた妻は、何か物言いたげだったけど、飲み込むように包丁をさっきより強くカタカタさせていた。

僕がかつて、そっち側の人間だったからといって、肩を持つつもりで言ったのではない。

そう言ったら、その刃を突き立てられそうなくらい、彼女は鼻の穴を広げていた。


あひるの空の中で、「存在意義」という言葉が度々登場する。

Jr.がもがいていたアレです。

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あひるの空(38) (講談社コミックス)

あひるの空(38) (講談社コミックス)

仮に、

正しい道=「正」の世界

それ以外の道=「負」の世界

としましょ。

人には、Jr.のように「正」の世界で存在意義をもがくことができる人と、「負」の世界でそれを見出してしまう人がいるんだと思います。

「負」の世界では、他人の存在意義を否定することで、自分の存在意義を訴えていく。

それがイジメなんだと僕は思っています。

これは、子どもの世界に限らず、「村八分」という言葉があるように、昔から、はままた大人になっても、イジメはどのステージにも必ずある。

むしろ、大人になってからの方が小汚く、根が深い。

人間とは、そういう生き物になったんだと思うしかない。

真っ青な世界を願う

あの頃の僕は、「負」の世界の住人だった。

当時、1年生の時から仲の良かったAは、兄貴に姉貴がいたこともあって、ちょっとおませで、僕らの知らないことをたくさん知っていた。

僕は、彼に認められたかったんだと思う。彼に認められてる僕をみんなに見られたかったんだと思う。

こう書くことで、彼に責任があるようだけど、違う。たしかに、僕自信が「負」の世界に足を踏み入れていた。


昼休み、また彼を拳で殴った。

そしたら口から血が出て、先生に知られ、母親が学校に呼び出された。

母は泣いていた。

「どうしてそんなことしたの?」

たぶん、「みんながやってたから」と嘘をついたと思う。

いや、嘘ではないのか?

その時は、存在意義をそれで見出したかったとは気付いていなかったから。

どうか、せめて全ての部活の世界だけでも、「負」の世界を知らない、「青春」という名にふさわしい真っ青な世界であってほしいと願う。

子ども達にしてあげられること

あひるの空32巻は、イジメを題材としたストーリーが収録されています。

僕は、上の懺悔を書いてから、改めて読み直しました。

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読むに堪えられなくなりました。

霞川崎高校の磯野真理子監督の言葉は、自分に言われているような気がしました。

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巻末、日向武史先生はこう書き綴っています。

連載当初から『部活を途中で辞めてしまった・・・もう一度バスケをやりたい』という手紙をたくさん頂きます。

その中で、辞めた理由として最も多くみられるのが『イジメ』です。

ずっとどこかでそのテーマに触れなきゃいけないと思いつつもやれずにここまできました。

ただ自分はこの問題に対して答えを持ってなくて、どうすればイジメがなくなるかと解決法もしらないし分からない。

逆にね、たぶん一生なくならないんじゃないかとも思う。

自分は危険思想の持ち主なので、あまり深く入っていかないように気をつけました。

物語的にはちょっと寄り道かもしれないけど、牧野君は大好きなキャラです。

日向武史先生も感じているように、イジメは一生なくならない。

僕は、幸いなことにイジメられることはありませんでした。

そう”幸いなことに”・・・。

子どもを持って思うのが、

「どうか自分と同じようにイジメに出会わずに生きていってほしい」

という願い。

そして、その願いの後ろでいつも流れているのがミスチルの「タガタメ」

子供らを被害者に

加害者にもせずに

この街で暮らすため

まず何をすべきだろう?


でももしも被害者に

加害者になったとき

出来ることと言えば

涙を流し 瞼を腫らし

祈るほかにないのか?


タダダキアッテ(ただ抱き合って)

カタタタキダキアッテ(肩叩き抱き合って)

テヲトッテダキアッテ(手を取って抱き合って)

抱きしめて、なぐさめ合って、手を取って、抱き合って、子どもたちにしてあげられることはコレしかない。

子どもたちに胸いっぱいの愛を。

日向武史先生!32巻の遠回りは間違いじゃないっす!!